「きっとこれもリハーサル」レポート その2

舞台が明るくなり、第二幕のスタートです。
(途中、しゅはまさんが演じる美香ちゃんを斉藤さんと言い換えています)
斉藤さんが外に出て行った後の昭雄さん、泉美、賢一で始まりです。

昭雄さんは「緑、緑色した草木の葉、緑色した草木の葉、3文字」と考えながら、トイレ?に。
「あの葬儀屋さんに謝ってきたほうが良くない?」と泉美に対して賢一が言う。
「なんで?私が?」
「あんたが言ったんじゃない、斎藤さんに騙されてる、って」と賢一。
泉美はソファの方へ歩き昭雄さんがやっていたクロスワードを見て、「〝あおば〝じゃん!」って答えを。
そこに「今日これやらないと、あれ貰えないんだよ。」と賢一。
「それは困る、私も。」と泉美。
賢一と泉美はお母さんからもらえるお金をあてにしている会話が続きます。
「ほんとに行くの?」
「だけど、ほんとにくれるかな、お母さん」
「どこにそんなお金有るのかな?200万だよ!」と話していたところに昭雄さん「〝葉っぱ〝だよ、〝はつぱ〝だよ!」って言いながら再び登場。
そうしていたところに昭雄さんの携帯の音が、、、ブー、ブー、ブーと棺桶の中で。
「はいもしもし、あ、どうもお世話になってます、、、ちょっと待ってください」としゃべりなから外に出ていきました。
クロスワードを見て泉美は「〝あおば〝だって!」

昭雄さんが電話しながら外に出ていくと、賢一と泉美が2人になり何やら内緒話が。
「だけど、お金もそうだけど、お父さん、100パーセント反対だね、大学進学しない事を許さないでしょ。それにケーキの修行って、更にアウトだね。和菓子だったら、まだ良かったんだろうけど。おかあさんに味方になってもらうしかないね」
「お姉ちゃんは言えるの?彼氏の事!」
「お母さんにはいつか言うつもり」「親父は絶対に受け入れてくれない、俺のフランスどころじゃないよ!」「お父さんには言わない、黙って出ていく!」「マジで!?」「うん!」そして、賢一が泉美のダンスの話を始めました。
「姉ちゃん、あれで伝えれば良いんじゃ無い?」
「何?」
「やってたでしょ!ダンス!」
「言ってただろう、私のダンスは言葉だーって」
「コンテンポラリダンス馬鹿にしてるでしょー?」
「普段の姉ちゃんからかけ離れてて、体クネクネさせて」
そうすると泉美は、
「馬鹿にしてるのかもしれないけど、全然変なものじゃ無いんだから。あなたに好きな娘がいたとして、その娘から告白されたらどうする?」
「喜ぶよ、やったー」って軽くガッツポーズ。
「ほらー、それがダンス、その手、それがダンスなの、勿論、そんな単純なものじゃ無いけど、ダンスの第1歩って事よ!」
「お父さんにフランスに行きたいって言うのはどんな気分?」
賢一がハーって落ち込む素振りをすると
「ほらー、それもダンスよ」
「バイトでパテシエの才能が認められ、バイト先の店長からフランス修行を勧められ、だけど親にどう話そうか?」
賢一が喜んだり落ち込んだりの素振りをすると
「すごいじゃない!それは完全にダンスだね」
今度は賢一が、
「姉ちゃんの気分をやって見せてよ!」
「だから、私の場合は」と言って、スマホから奇妙な音楽を鳴らし、踊り始める泉美。
踊り終わり、「こう言う事よ」って。
「全然分からない」と賢一
「あんたみたいに単純な事じゃないから。だいたいあなた、頭で考えてるでしょ、そのまま感じるの、良い、こう!こうよ!」と。
「その動きが全然わからない」と賢一
「これは親に対するいら立ち」と泉美
「口で言ってるじゃん!」と賢一
泉美は、「感じて、感じて」と、踊る。
昭雄さんが、「何やってんだ!」と言いながら入って来た。
「今だよ!そっち向いてやんないと!」と賢一

そうすると今度は弘江さん(真子さん)と美香さんが登場
絶対に大丈夫!、良いビデオにするから、ねっ!家族はやる気は有るの、本当に!
いやそうに美香さんも入ってきました。
「あなた達、ちゃんとやりなさいよ!文句言わずにね。ちゃんとやらなかったら、あんたの車もあんた達のアレも無しだからねー!わかった?」
昭雄さん、賢一、泉美は揃って「はい!」と元気よく返事を返す。

「ほら、みんな、すごいやる気よ」と弘江さん(真子さん)が美香さんに向かって言います。
「ほんとに良いんですか?」と半信半疑な美香ちゃん
「良いに決まってるでしょ!ねっ!」と弘江さん(真子さん)
「お願いしまーす!」と元気に泉美と賢一
「じゃあ、ちょっとばかり死んでやるかな」と昭雄さん
「ほら、美香ちゃん、大丈夫でしょ!」
「ありがとうございます!」と元気になった美香ちゃん
「はいはい、位置にについてー、早くー」
「僕はどこに行けば良いのかな」
「賢一君は喪主なのでここに座って下さい」
「私はその隣だから、ここ」
「泉美は僧侶役だからちょっとそこで待ってて」
昭雄さんはまだウロウロしていると
「あなた、何やってるの?早く棺桶の中に入ってよ!」
「やっぱり、見えないんだから良いだろう?」
「だめよ、そんなところでウロチョロしてたら心霊ビデオになっちゃうでしょう」と。
昭雄さんが棺桶に入り、「なんだよ、ちょっと手伝え!」と言うが、泉美と賢一で棺桶の蓋を思いっ切り置く。
棺桶の中から「おい、殺す気か?」と昭雄さん
「美香ちゃん、こっちは準備OKよ」と弘江さん(真子さん)
「それでは、みなさん宜しくお願いします」
「あとで編集もしますが、前もって決めた段取りで進めますので、集中してお願いします」
「それでは、スタート」
ビデオ撮影スタートです。
「みなさん、こんにちは、ヘブンサポートオーシャンの斉藤です」
「今日は、お葬式におけるお通夜と告別式の流れ、また、喪主、ご遺族の、、、」
拍手しながら、弘江さん(真子さん)、「すごい、すごーい!あんたこんな事出来る?」
「弘江さん、しゃべっちゃダメ、ビデオに入っちゃうから、取り直しになっちゃうから」
「ごめんなさーい」と弘江さん(真子さん)
「それじゃあ、もう一回行きますね。スタート!」
再びビデオ撮影スタートです。
「みなさん、こんにちわ、ヘブンサポートオーシャンの斉藤です」
「今日は、お葬式におけるお通夜と告別式の流れ、喪主、ご遺族のご挨拶や立ち振舞いをご案内させていただきます。お通夜や告別式での納棺の儀や祭壇の飾り、式場の受付など全て弊社が行います。ですから、喪主としてご遺族の方々は僧侶や弔問客へご配慮いただきますようお願い致します」
「では、今からお通夜での僧侶や弔問客への喪主の対応、そして、告別式でのご遺族による棺への花入れ、火葬出棺時の喪主の弔辞、これらのご説明を致しましょう」
(同時に喪主役賢一が、声を出してご挨拶の練習を始めました。)
「賢一君、撮ってる時に練習しないで、声が入っちゃうでしょ!」
「あー、すいません」と賢一。
「では、次は僧侶が来られた時の喪主のご挨拶とお経が終わってお布施をお渡しする時の喪主のご挨拶です」
「泉美、出番よ!」と弘江さん(真子さん)
「はい」と僧侶の恰好をした泉美
「賢一、あんた大丈夫?」
「おーい、やっぱり俺入ってる必要無いだろう!」と棺桶から起き上がって言う昭雄さん
「リアリティが違うのよー、みんな真剣にやってるんだからー、あなたも真剣に死んで!」と弘江さん(真子さん)
(諦めて、棺桶に入る昭雄さん)
「賢一君と弘江さん(真子さん)はこのままで、僧侶役の泉美ちゃんはここから入って来て、そこに座る。スマホは置いといてね!私が手を上げたら泉美ちゃん入って来て」と斉藤さん
「はい、準備は大丈夫ですか?では、行きまーす!」
再びビデオ撮影スタート。
「まず、最初に僧侶が来られた時の喪主のご挨拶です」
(僧侶役の泉美が入って来て、座布団にドンと座る)
「ごめんなさい、泉美ちゃん、もうちょっと僧侶っぽく」と斉藤さんがやり直しさせる。
「僧侶っぽくって言われても、、、」と泉美
「もう一回行きますね」
再びビデオ撮影スタート。
(またまた僧侶役の泉美が入って来て、座布団にドンと座る)
「ごめんなさい、やっぱり違うなー」と斉藤さん
「僧侶っぽさが分からないんです」
「ちゃんとやって下さい!」と厳しい斉藤さん
「だから分からないの!」
「もっと内側から僧侶になりきるとか、形から入ろうとしないで下さい」と厳しい斉藤さん
「何ですか?演技指導ですかー?」
「私ね、一時期、劇団に入っていたこと有るの。演出家が良く言っていたの。この役が登場する前に何をしていたか考えてみるって、Moment beforeね!僧侶が入ってくる前の事を想像して下さい!」
「全然分からない」と泉美
「あれじゃない、スクーター、今まさにスクーターに乗って来た感じだと思うのよ」と弘江さん(真子さん)
「お坊さんってさあ、普段スクーターに乗ってるイメージでしょう?普段は高級外車に乗ってるくせにね、高級な車で葬儀に来られてもねー、だから普段は高級外車を乗り回してるけど、今日はスクーターで来ましたって感じで」
「そうそう、それを含めてもう一回!」
「そのアドバイスで出来るなんてとうてい思えないんだけど」と泉美
「とにかくやってみる、at is doing」
では行きます!
再びビデオ撮影スタート(賢一のご挨拶からスタート)
「えーお忙しい中、ご足労いただきまして誠に有難うございます。私共何分不慣れでございますので、宜しくご指導いただきますようお願い致します」
「はい、オッケー」賢一には優しい斉藤さん
「これで良いの?賢一、すごいぎこち無かったけど」と不満げな泉美
「逆にリアリティが有った」と斉藤さん
「ひいきだよ!」と泉美が不満をもらす
泉美の不満も聞かない斉藤さん「それでは、続いてお布施をお渡しする時の、喪主のご挨拶をやります」
「これが、ふくさと切手盆。確かにありがたい感じがする」と弘江さん(真子さん)
「でしょ!このままの向きでふくさを開いて、お盆を回して、泉美ちゃんに出す、そして挨拶して渡します」
「泉美ちゃん、ちゃんと向き合って!」と厳しい斉藤さん
「弘江さんは賢一君のもうちょっと後ろ」
そこに「おーい、やっぱりオレー!」と昭雄さんが意味なさげな事を言おうとすると「死んどいて!」と冷たい弘江さん
「それでは、やりましょう。僧侶はダランとしない、背筋ピンとして!」相変わらず泉美には厳しい斉藤さん
「では、行きます」
再びビデオ撮影スタート
「続きまして、僧侶にお布施を渡すときの喪主のご挨拶です」
賢一のご挨拶です「ご多様なところ大変ご丁寧なお勤めを賜り有難うございました。えー、、、」
「お蔭様で無事に、、、」と弘江さん(真子さん)が囁き、賢一がそれに合わせてご挨拶をしていくと「弘江さん、囁いちゃダメ!」と斉藤さん
「全然、覚えて無いじゃない!?」と弘江さん(真子さん)
「これ、難しいんだって!」と賢一
「早くやって、ささっと終わらせてよ!私、あの人に何でかきつく当たられてるんだから!」と泉美
「そっちはセリフが無くて良いけど、こっちは沢山有るんだよ!」と賢一と泉美の言い合い「短いでしょ!」「短くないよ!」と。
そうしたところで弘江さん(真子さん)「ちょっと、もう良いから。美香ちゃん、ここ私がやっても良い?私、全部出来るから」と。
喪主が変わり弘江さん(真子さん)に。
「賢一、ちゃんと見ておきなさいよ!」
「じゃあ、お願いします。行きますよー」と、再びスタート
「わたくしが喪主でございます。ご多様なところ大変ご丁寧なお勤めを賜り有難うございました。お陰様で無事に葬儀を執り行う事が出来ました。どうぞ、お収め下さい」
一瞬の間が入り「うーん、オッケー!」と斉藤さん
「こうやるのよ!」と自慢げな弘江さん(真子さん)
「だったら、最初から母さんがやれば良いのに、、、」と賢一が反論。
「次は弔問客への喪主の対応に行きましょう」と斉藤さん
「泉美、僧侶はもう良いから早く着替えて来て!」弘江さん(真子さん)
そしたら「あー、もう限界、背中痛くて!」と棺桶から起き上がる昭雄さん
「あなた大げさにー!」弘江さん(真子さん)
「痛いんだよ。中は身動き取れないし」と昭雄さん
「死んだ人は大変なのねー。私の時はもっとフカフカにしてもらおう」と弘江さん(真子さん)
「棺桶にはピンキリで有るから、安いのはダンボールの棺から高いのは500万円するものまで。最高級の檜で最高級の彫刻家が掘って金箔張って、燃やすだけだから勿体ないけどね」
「棺の中に何か敷くものとか無いのか?」と昭雄さん
「わかったわよー、ちょっと待ってて」と弘江さん(真子さん)
「あのー、次、何やるんでしたっけ?」と賢一
「さっきも言ったけど、弔問客への喪主の対応、その後に花入れが有って、最後に弔辞」と説明する斉藤さん
「花入れ?」
「棺桶に花を入れながら故人へお話しするってやつです」
「あー、はいはい、分かりました」
賢一と斉藤さんの会話が終わり
「あなたー、毛布を持ってきたよー」と弘江さん(真子さん)
「どう?ふかふかだよ。入ってみて!」
「あー、うん」と言いながら棺桶に入る昭雄さん
「高級メロンみたいだよ、あなた!」
「おー、中はずいぶんと楽になった」
と弘江さん(真子さん)と昭雄さんの会話が続き、着替えた泉美が登場。
「泉美、ご苦労様、じゃあ、美香ちゃん続きやろうか?」と弘江さん(真子さん)
「次の喪主は賢一君で、ご遺族の方々にも並んでもらうので、泉美ちゃんは、ここ!」とビデオに映らない位置へ誘導する斉藤さん
「そこで、私、映りますか?」と泉美
「私が弔問客やるので、喪主の賢一君、対応してください、はい、やりますよー!」
再びビデオ撮影スタート
「続きまして、弔問客の喪主の対応をご案内致します。わたくしが弔問客でございます」
木魚、お経が流れ出し、
「この度は、誠に突然のことで本当に言葉もございません。故人へのお悔やみを申し上げご冥福を心からお祈り申し上げます」と弔問客役の斉藤さん。
「えー、本日はお忙しいところ起こし頂きまして誠に有難うございました。お陰様で大変安らかな最後でございました。もし宜しかったら、最後に顔を見て行ってやって下さい」と、たどたどしい喪主役の賢一のご挨拶。
「このように弔問客への感謝の気持ちを簡潔にお伝えしましょう。弔問客もスムーズなご焼香とスマートなお悔やみを心掛けましょう」と斉藤さんが解説。
「はい、オッケー!」
「賢一、もうちょっと感情込めてよ!」と弘江さん(真子さん)
「そんな事より、お経流れるの知ってたー?」とチェックする泉美
「次は難易度上がっちゃうから、弘江さんもう一回喪主をお願いします!」
「任しといて!賢一、ちゃんと見ておきなさいよ!」
「私が棺に向かって泣いてしまった弔問客をやるので、その対応をお願いします!」
「えー、美香ちゃんがその弔問客をやるの?」
「勿論、劇団にいたから!では、始めましょう!準備は良いですかー?」
再びビデオ撮影スタート
「それでは続いて、弔問客が感極まり棺にすがりついて泣いてしまった場合の喪主の対応です。ほかに多くの弔問客がいるので喪主は速やかに対処しなければなりません。わたくしが問題の弔問客でございます」
泣き崩れる弔問客役の斉藤さん「なんでー、なんでー、こんな事に、あたしまだ何にも返してないのにー」急になまり出し「死んじまうなんて、あんまりだー、村のみんなもあんだに会いだがってたよー、なんとが言って!まなこさ開げで何とか言ってけろ!」って。
「うゎーん、うゎーん(弘江さんに向かって手招きする斉藤さん)と泣き崩れる弔問客の斉藤さんに対して、喪主役の弘江さん(真子さん)がなだめます。
「生前は特別にご愛顧いただきまして本当に有難うございました。さぞかし喜んでくれている事と思います。隣の部屋にお酒と軽いお食事をご用意しております。そこで落ち着かれましたら沢山の思い出などをお聞かせ下さいますか?さあ、こちらへ」と。
このように喪主は速やかに対処し取り乱している弔問客を決して刺激せず、速やかに隣の部屋に誘導するように心がけましょう。
「はい、オッケー!なんか、降りて来た感じがしたー」と斉藤さん
「村とか言ってましたけど、、、」と泉美。
「亡くなった方は船で1時間くらい掛かるところに来てくれた初めてのお医者さんって設定。私の命が危ない時にそのお医者さんが助けてくれたって設定なの」
「それで村の人が会いたがってたって言ってたんだ。だから命の恩人なので、あそこまで取り乱したんだ?」と弘江さん(真子さん)
「ほのかな恋心が有ったんじゃ無いかな?」「好きな人と恩人をいっぺんに亡くしてしまったのかー?それは辛いね!」と会話が弾んでいた時、「おい、もう良いだろう」と棺桶の中から昭雄さんが「さっさと次やれよ!」と。
「次は花入れです。花入れは亡くなった人に言いたかった事や最後の思いを告げる儀式です」と斉藤さんの言葉でスタート。
賢一に弘江さん(真子さん)さんが「ちゃんと考えたの?」と聞かれても「何を?」と。
泉美は「村のお医者さんだとは聞いてないよー!」と。
「お父さんに言いたい事言えば良いのよー、お父さんが亡くなったんだから。お父さんに語り掛ける最後のチャンスだから、ちゃと言いたい事言いなさいよ!」と弘江さん(真子さん)
昭雄さんが棺桶から立ち上がり「だから俺は死んでない」と。
「それではやりましょう、昭雄さんハウス!」と斉藤さん
ビデオ撮影スタートです。
「それじゃあ、弘江さんからお願いします」
「よーいスタート、続きまして、、、、」あっと大変!
何やらハプニングが、、、カメラが三脚から外れて、床に転がり、、、
昭雄さんが起き上がり、「賢一、行けー!」と。
賢一は冷静に三脚にカメラを取り付けます。
「ありがとう!」と斉藤さん、「頼みますよ!」と昭雄さんは棺桶に静かに入ります。
みんなで、斉藤さんを助けて、何事も無かったように再スタート。
「お花入れの儀からですね。それでは、続いてお花入れの儀からご案内致します」(本当に何事も無かったかのように始まりました)
「故人へ生前お伝えしたかった事、思い出やお別れを告げてからお花を入れて下さい」
弘江さん(真子さん)の花入れからです。
「あなた、本当にお疲れ様、あなたは昔から融通が利かないし堅物でわからず屋で職人気質というと聞こえは良いけど、それとは少し違う。愛想も素っ気もない、何か有るとくどくどと言う、ただの我がままでした。」
昭雄さんが棺桶から起き上がり「何だよ、ずっと悪口じゃないか?」と。
「死者が蘇ったらおかしいです」と斉藤さん
「成仏して!」と弘江さん(真子さん)(昭雄さんは素直に棺桶に引っ込みました)
「ここは後で編集するから続きからやっていただいて大丈夫です」と斉藤さん
弘江さん(真子さん)の花入れの再スタート。
「そのくせ何か有るとくどくどと、ただのわがままの人間で、でも、あなたは一家の大黒柱でと言って頑張ってくれていました。でもね、その考え方自体がすでにおかしいっていうか、自分が養ってやる、だから黙ってついて来い!なんて考え方自体が妻や子供たちの人権を認めていないというか、、、」
昭雄さんが見かねて「ちょっと!」と棺桶から起き上がりました。
斉藤さんが「もう昭雄さん、だから?」「だけど、こいつ!」「編集でカットしますから」「弘江さん、一般的なのでお願い」「死んで!」と会話が続いて、ようやく昭雄さんは棺桶に引き下がり、再びスタート。
「そんな考え方は改めて欲しかったし、子供たちの気持ちだけは尊重して欲しかった。だけど、私はあなたとの生活は幸せでした。はずかしいけど単純にあなたの事が好きだったのかもしれない。何なんでしょうね、好きって。私はとっても楽しかった。顔をくしゃくしゃにして笑うあなたが好きでした。だから私はあなたの笑顔を見るために馬鹿な事を言って」
「許されるならもっともっと一緒にいたかった。もっともっと欲しかった、時間が。あなたとの時間が。でも、仕方無いよね、ありがとう!結婚してくれて、家族になってくれて、本当に本当にありがとう!私は本当に幸せでした。そして、あなたはどうでしたか?」と言いお花を棺の中に供えます。
「オッケー、良いよー、弘江さん、最高!昭雄さん、聞いてたでしょ、昭雄さん?」と斉藤さんが問いかけます。
「あなたー?目つぶってる」とニコニコしながら弘江さん(真子さん)
「昭雄さんも良い感じで死んでくれているから続けるね。それじゃあ、次は賢一君」と斉藤さん
「お疲れ様でした」と賢一はお花を棺桶の中に放り投げる。棺桶から昭雄さんは花を外に放り投げ返す。
「賢一、ちゃんとお父さんに言いなさい」「本当に何も言う事無いの?」「無い!」「本当に?」と繰り返し、弘江さん(真子さん)が賢一の秘密をあたかも知らない振りして言い出します。
「例えば、高校卒業したらこんな仕事したいとか?」「大学進学はしたくないとか」「例えば、将来、ケーキ屋をやりたいとか?」「そのために、今もアルバイトしていますとか」「ケーキ屋でとか、何か有るでしょ?」「将来、フランスに修行に行きたいとか、そのためにフランス語を勉強してますとか?」と弘江さん(真子さん)の発言にびっくりする賢一。
「ちょっと待って、ちょっと待って、えっ、誰かに何か聞いたの?」と賢一。
昭雄さんが棺桶から起き上がり、「おい、ケーキ屋でバイト?そうなのか?」と。
そうしたら弘江さん(真子さん)は「何?あなたー例えばの話よー」と。
「お母さん、誰かに何か聞いたの?」と驚いてる泉美
「まさかー、例えばの話をしてるだけだから」と。
「例えばって、そんなピンポイントでおかしいよ!」
「おーい、母さんの話、本当なのか?」と昭雄さん
「まさか、私は例えばの話をしてるだけだけど」ととぼける弘江さん(真子さん)。
賢一は、昭雄さんのいる棺桶に近づき、思い切って言います。
「俺、高校卒業したらフランスに行くよ。パティシエの勉強しに」
「あれ、例えばの話が当たっちゃった、すごくない?」とまたまたとぼけてる弘江さん(真子さん)
「ちょっと待て、賢一!そんな事ダメに決まってるだろう!大学はどうすんだ?」怒り気味の昭雄さん。
「大学は行かないよ!」と言う賢一に「大学行かないって、何考えてるんだ!」と大声で怒る昭雄さん。
「お母さん、何で知ってるの?」と不思議がる泉美。
「本当にそうだったなんて、私は何も知らないわ」とまたまたとぼけてる弘江さん(真子さん)
「ちょっと待って!それってもしかして霊的な何か?」と不思議な事を言う斉藤さん。
「お葬式とかは霊が集まりやすくなるみたいだから、この練習を本当のお葬式と勘違いしてるみたい、「私、こういうの怖いの、一時期、霊媒師目指してたから怖いの、お払いのお清めの塩、今日持って来てないから」
「やめて下さい」不気味がる泉美
「とにかく、フランスに行くなんて絶対に許さんぞ」と大声で怒っている昭雄さん
「賢一の大学入学のために中野渡とかあちこちに頭下げて働いてるのに分かって無いのか?ケーキ屋なんか?黙って大学に行け!」と大声で怒鳴る昭雄さん
そうすると「予想通り」と呆れる賢一。
「予想と一字一句違わなかった、俺の気持ちを聞かず、頭ごなしに否定するだけ、もう良いよ!」と逆切れ気味の賢一。
「俺は好きにやるから」と賢一は階段を上って2階に行こうとする。
「おい、賢一、こっちに来い!」と怒っている昭雄さん。
「ちょっと、2人ともー、あの約束は無しね!」と弘江さん(真子さん)
「それとこれとは別だよ」と焦る昭雄さん
「お葬式の途中でしょ、それは後で話せば良い事でしょ!早く戻りなさい!」と弘江さん(真子さん)。
「許さんからな!」とまだ言う昭雄さん
「早く、横になって!」と昭雄さんを棺桶に押し込みます。
美香ちゃんに弘江さん(真子さん)は謝り、花入れを再開。
次の花入れは泉美の番です。
「それより弘江さん、霊は?」と勘違いしている斉藤さん
「思いついた事を言っただなんだけど」と、とぼける弘江さん(真子さん)。
花入れ再開「じゃあ、お願いします」と斉藤さん
「すごくやりずらいんだけど!」とやりずらそうな泉美
「今までありがとう。私も幸せになります。安心して下さい。さよなら」と美香はお花を放り投げる。
「短いでしょう、例えば、、、」と弘江さん(真子さん)が言うと
「待って!」と焦る泉美。
「変な事言うでしょう?」「変な事?」「知らないけど?」と。
「コンテポラリーダンスしてる事とか?」と弘江さん(真子さん)が言うと「ちょっと、言ってるじゃん!」と焦る泉美。
「今、何か言ったかな?」と、とぼける弘江さん(真子さん)。
昭雄さんが棺桶から起き上がり、「ダンスってなんだ?」
「趣味だから良いでしょう?」と泉美は返すが、「本当に?」と突っ込む弘江さん(真子さん)。
「その通りです、コンテンポラリダンスを趣味でやってます。これで問題無いでしょう!余計な事は言わないで!」と焦る泉美。
「それだけなの?」と更に突っ込む弘江さん(真子さん)。
「お父さんの良く知ってる人とお付合いしてるって事は?」と、ずばり言う弘江さん(真子さん)「えっ何でー?マジで何なの?」と焦る泉美。
またまた昭雄さんが棺桶から起き上がり「おい、誰と付き合ってるって?母さん、何だって?」と。
「私は何にも知らないし、何かしゃべらされる感じ」と、とぼける弘江さん(真子さん)「霊よ、霊、お払いを」と斉藤さん
「彼氏は30歳年上です、とか?」もっと突っ込む弘江さん(真子さん)「母さんは、完全に全部知ってる」と賢一が言うと「知らないよー」と、とぼける弘江さん(真子さん)。
勘違いしてる斉藤さんは「お塩借りるねー」と。
昭雄さんが「誰と付き合ってるって?」と泉美に聞いたら、「お母さんに聞いたら?」と泉美にとぼけられ「誰だよ?」「知らないわ」「誰か知ってるんだろう?」「聞いて無いよ、私は思い浮かんだ事を言ってるだけです」と言い合いが続き「浮かんだ名前、言えよ」と昭雄さん、そうしたところ「中野渡、、、」と弘江さん(真子さん)が答え、ビックリする昭雄さん。
まだ勘違いしている斉藤さんは「お塩借りたから、一時期、霊媒師を目指してたから除霊の呪文を少しは出来るのよ」と。
「どう言う事なんだ?」と昭雄さんが問い詰めると泉美は「はいはい、そうです。中野渡菓子本舗の社長と付き合ってます」と暴露。
「パブロフ中野渡と?」と斉藤さん、何やら残念そう。
更に泉美から「結婚を考えてる」と言うと更に落ち込む斉藤さん。
昭雄さんは「そんな事が許されると思ってるのかー?」と怒りをあらわに。
「お互い、同意してるんだから問題無いでしょ」と泉美は反論したが「何だとー?」と昭雄さんは泉美を追いかけ回す。
賢一が昭雄さんを止めようとしているが、振り払って追いかる昭雄さん。
そこに弘江さん(真子さん)が「あなたー!私が許さないから、ちゃんと泉美と賢一と落ち着いて話して!」と。「頭ごなしはダメよ、万が一手を上げたりしたら、私、離婚するからね!大好きなあなたでもそれは許さないから!」
「葬式の練習とか言って、こいつらと組んでやったんだろう!」と昭雄さん
「俺たちも驚いてる」(賢一)「お母さん、どういうつもり?」(泉美)と聞くと「知らない!」と、とぼける弘江さん(真子さん)。
まだ勘違いしている斉藤さんは「何かが憑依したのね?」と。
「もういい!」と昭雄さんは怒って外に飛び出していく。
「あなたー、そんな恰好でどこに行くのよー?」と弘江さん(真子さん)
まだ勘違いしている斉藤さんは「かろーかつーくーいいーけれ えいー!」とお払いを。
賢一は斉藤さんのお払いを見て「それ形容詞の活用だろ!」と。

ここで、舞台は真っ暗に、第二幕終了

(つづく)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です